新築物件のWebサイト、公開前に確認したい表示チェックポイント

新築物件のWebサイト、公開前に確認したい表示チェックポイント
SHINWA'S PICKS編集部

新築物件のホームページやSNSは、紙媒体の広告に比べて公開が手軽な分、表示ルールの確認が後回しになりやすいと考えられます。本コラムでは、公開前に確認したい基本の表示項目に加え、予告広告や未完成物件の写真など、新築物件ならではの注意点を整理して解説します。

1.新築物件のWebサイトになぜ「表示チェック」が欠かせないのか

まずは、新築物件のWebサイトで表示チェックがなぜ重要になのかを整理します。

ホームページやSNSは紙媒体より公開が手軽な分、リスクも大きい

新築物件の広告というと折り込みチラシやパンフレットのような紙媒体を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし、自社ホームページやSNSは紙媒体に比べて制作から公開までのスピードが速く、担当者の判断だけで更新できてしまう場合が一般的です。

紙媒体では入稿前に広告代理店のチェックが入ることもありますが、自社サイトの更新は自社内の判断のみで完結しやすく、確認の目が届きにくくなる傾向があります。この「公開のしやすさ」は集客面では強みになる一方、表示ルールの確認が形式的になりやすく、チェック漏れが起きやすいという指摘もあります。公開後に修正すればよいという考え方もありますが、誤った情報を目にした閲覧者の誤解を完全に解消することはできません。

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適用される主なルールは宅建業法・景品表示法・表示規約

新築物件のWebサイトにも、宅地建物取引業法(以下、宅建業法)、不当景品類及び不当表示防止法(以下、景品表示法)、および不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(以下、表示規約)が適用されます。

「Webサイトだから」「SNSだから」といった理由で適用が除外されるわけではなく、媒体を問わず同じ水準のルール遵守が求められます。

不動産ポータルサイトへの入稿では必須項目が入力フォームで管理されている場合もありますが、自社サイトは表示項目の設計自体を自社で行うため、担当者の知識や経験によって確認の精度にばらつきが出やすく、抜けや漏れが生じやすい媒体ともいえます。

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チェック漏れが招くリスク

表示ルールに反する内容を公開したまま放置すると、宅建業法上の監督処分や、表示規約に基づく協議会からの指導・警告といった措置が講じられる場合があります。

新築物件は価格や引き渡し時期、契約状況などの情報が販売の進捗にあわせて変わりやすいため、公開時点だけでなく更新のたびに確認する意識が求められます。

紙媒体は一度印刷すれば内容を修正できませんが、Webサイトはいつでも修正できる分、むしろ「直せばよい」という意識のまま古い情報が放置されやすいという側面もあります。また、Webサイトは検索エンジンやSNS経由で不特定多数の目に触れやすく、誤りが発覚した際の影響範囲も紙媒体より広がりやすい点も注意しておきたいところです。

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2.公開前に確認したい新築物件の必須表示項目チェックリスト

公開前に確認しておきたい基本項目を、3つの観点から見ていきましょう。

取引態様・所在地・交通の利便性

公開前に確認しておきたい基本項目は、取引態様(売主・貸主・代理・媒介のいずれか)の明示、物件の所在地、最寄り駅やバス停までの徒歩所要時間などです。表示規約では、徒歩所要時間は道路距離80mにつき1分として算出し、端数は切り上げるものとされています。地図アプリの直線距離をそのまま使うと、実際より短く見積もった表示になりかねないため注意しましょう。

面積・価格の表示(新築物件特有の注意点)

新築分譲地のように複数区画(戸)をまとめて広告する場合、土地面積は原則として全区画(戸)表示ですが、販売区画数(戸)が多く困難な場合は最小面積・最大面積のみの表示が認められます。複数戸をまとめて広告する場合、価格は最低価格・最高価格に加え、販売区画数(戸)が一定以上のときは最多価格帯とその販売区画数(戸)の表示が求められる場合があります。

これらは、1区画・1住戸ごとの情報がすでに定まっている中古物件の広告にはあまり出てこない、新築物件ならではの確認ポイントといえます。

区画・住戸ごとの個別ページを用意している場合は、一覧ページと個別ページの間で価格や面積の表記に食い違いが生じていないかも、公開前にあわせて確認しておきたい点です。販売の進捗にあわせて一部の区画が成約済みになった際、一覧ページの更新が個別ページに反映されず情報が食い違ったままになるケースも見受けられるため、定期的な突き合わせ作業を仕組みとして組み込んでおくことが望ましいでしょう。

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写真・パースの扱い

未完成の新築物件では実際の建物写真がまだ存在しないケースも多く、完成予想図(CGパース)や類似建物の写真を使う場合があります。掲載する際は、完成予想図である旨や実際の建物とは異なる旨を、閲覧者が事実と誤認しないよう分かりやすく明示することが求められます。

詳しいルールは別記事「【一覧表つき】不動産広告で守るべき表示義務を分かりやすく解説」もご覧ください。判断に迷う場合は、外部のチェックサービスを活用することが望ましいでしょう。

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3.新築物件ならではの見落としやすい表示ポイント

新築物件特有の注意点として、次の3点が挙げられます。

価格・賃料未定時点の予告広告表示

新築分譲マンションや新築分譲住宅では、価格などの取引条件が確定する前に「予告広告」として取引開始時期を告知するケースがあります。

不動産予告広告を行う場合は、予告広告である旨や、価格・賃料が未定である旨などを明示する必要があります。Webサイトはページの一部を先行して仮公開し、後から本広告に切り替える運用も行われやすいため、切り替え漏れが起きていないかも公開前後にあわせて十分に確認したいポイントです。

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未完成物件の外観写真・CGパースの扱い

建物が未完成の段階で外観イメージを掲載する場合、取引する建物を施工する会社が過去に施工した類似建物(構造・階数・仕様が同一で、規模・形状・色などが類似するもの)の写真であれば使用できる場合がありますが、その旨の明示が求められる点は見落とされやすいポイントなので注意しましょう。Webサイトのトップページの特にメインビジュアルなど目立つ場所に類似の画像を大きく表示することは禁止されています。

広告の開始時期の制限(建築確認・開発許可前の注意点)

新築物件は、建築基準法上の建築確認や都市計画法上の開発許可を受ける前の段階では、そもそも広告掲載自体を行うことができません。

Webサイトの物件ページを制作段階から先行して公開してしまうと、この制限に抵触するおそれがあるため、物件ページ自体は事前に作り込んでおき、許可等の取得を確認してから公開するといった運用フローをあらかじめ決めておくことも実務上の対策として有効です。

4.表示チェック漏れを防ぐ自社内運用フロー

チェック漏れを防ぐには、属人的な確認に頼らない運用フローが欠かせません。

担当者間のダブルチェック体制

物件情報の入力・更新は特定の担当者だけで完結してしまう場合が多く、入力ミスや表示漏れを公開後まで気づかれないケースもあります。作成した本人は内容を熟知しているからこそ、かえって細部の入力ミスや表示漏れを見逃してしまいやすい側面もあります。

入力者本人に加え、営業担当がテキストを用意し、またWeb担当が表示ルールの観点でレビューするなど、別の担当者がチェックリストに沿って確認する二重の体制を設けることで、公開前に誤りを発見できる可能性が高まります。

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物件情報の更新・掲載終了時の再チェック

新築物件は契約状況や価格改定にあわせてWebサイトの情報も変わっていくため、公開時の一度きりのチェックでは不十分になりやすいといえます。特に完売済みの物件情報をそのまま掲載し続けると、実在しない取引条件を示すおとり広告とみなされるおそれがあるため、更新フローの中に削除・非公開化の手順もあらかじめ組み込んでおくことが望ましいでしょう。

チェックシートのテンプレート化

確認するべき表示項目や新築特有の注意点をチェックシートとしてテンプレート化しておくと、担当者が変わった場合でも一定の水準でチェックを行うことができます。制作を外部の広告代理店や制作会社に依頼する場合も、入稿前チェックリストを共有しておくことで、公開直前の手戻りを減らせるでしょう。

5.まとめ

新築物件のWebサイトは、紙媒体に比べて公開・更新の手軽さがある一方、宅建業法・景品表示法・表示規約という複数のルールが適用される点は紙媒体の広告と変わりません。取引態様や所在地、面積・価格といった基本的な表示項目に加え、予告広告の表示や未完成物件の写真の扱い、広告開始時期の制限といった新築物件特有の論点を公開前にチェックしておくことが望ましいといえます。

個別の表示内容が規約や法令に適合しているか判断に迷う場合は、各地の不動産公正取引協議会や顧問弁護士など、専門家への確認も検討しましょう。

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