【ハウスメーカー向け】広告の種類・集客のポイントを徹底解説

【ハウスメーカー向け】広告の種類・集客のポイントを徹底解説
SHINWA'S PICKS編集部

住宅購入を検討する顧客は検討期間が長く、情報収集も慎重です。そのため、ハウスメーカーにとって広告施策は「短期的な集客」だけでなく、「信頼構築」や「検討の後押し」としても重要な役割を担います。

本記事では、リスティング広告・ポータルサイト・SNS広告・YouTube広告といった主要な広告媒体を取り上げ、それぞれのメリットと注意点をわかりやすく解説します。

ハウスメーカー向け広告①リスティング広告

リスティング広告とは、検索エンジンでユーザーが入力したキーワードに連動して、検索結果の上部などに表示されるテキスト形式の広告です。

一般的に「クリック課金型(PPC広告)」と呼ばれ、広告がクリックされるごとに料金が発生します。

リスティング広告のメリット

リスティング広告の最大の強みは、住宅に関心を持つ顕在層にピンポイントでアプローチできる点です。ユーザーが「〇〇市 新築住宅」「ローコスト住宅 〇LDK」など具体的なキーワードで検索した際に広告が表示されるため、既に購買意欲が高いユーザーに対して効率よく訴求できます。

また、地域名や住宅タイプといったターゲット層のニーズに合わせたキーワード設計が可能で、限られた予算内でも無駄なく集客できる点もメリットです。エリア密着型の工務店や、商品に特徴を持つハウスメーカーにとっては特に相性が良い広告媒体といえます。

リスティング広告の注意点

リスティング広告は競合が多く、人気キーワードのクリック単価が高騰する傾向があります。そのため、予算に限りがある場合は十分な露出が確保できない可能性が考えられるでしょう。

また、広告文やリンク先のサイトページ(ランディングページ)の内容を見極める能力も必要です。広告内容が顧客の検索意図とずれていると、そもそもクリックされない、もしくはクリックされたとしてもすぐに離脱されてしまいます。

ただ広告を運用するだけでなく、キーワード選定や広告文の見直し、アクセスデータの分析など、継続的なPDCAサイクルの運用が重要です。社内のリソースや専門知識が不足している場合は、住宅業界における広告運用の実績を持つ広告代理店と連携することも選択肢の一つとなります。

ハウスメーカー向け広告②ポータルサイト

住宅業界における代表的な広告媒体の一つが、SUUMOやLIFULL HOME'Sなどの住宅系ポータルサイトへの掲載です。

ポータルサイトは住宅探しを始めたばかりの顧客が最初に情報収集を行う場であることが多く、広告媒体としても広く知られています。

ポータルサイトのメリット

ポータルサイトには住宅購入への関心が高い顧客が多く集まっており、成約見込みのあるターゲット層と出会える可能性が高くなります。また、顧客はエリア・販売価格帯・間取りなどの条件を設定して物件を検索するため、自社商品と顧客の関心が合致した状態での訴求が可能です。

自社サイト単独では得にくい集客力をポータルサイトのトラフィックで補える点も魅力です。自社サイトへの流入が弱い場合でも、ポータルサイト経由で新たな認知拡大やリード獲得につなげられます。

資料請求や見学予約といった行動導線がサイト内にあらかじめ設計されているため、顧客との接点から商談へのステップをスムーズに設計できるのも大きな利点です。

ポータルサイトの注意点

ポータルサイトは多数の競合他社と横並びで掲載されるため、販売価格や設備条件によって比較されやすくなります。自社の強みが競合他社に埋もれてしまい、価格競争に巻き込まれるリスクもあるでしょう。

また、資料請求や問い合わせを獲得した後成約に至らないケースも多く、反響の質に課題を感じる企業も少なくありません。広告枠の大きさや掲載順位に応じて料金が増減する課金体系となっているため、予算によっては十分な露出が確保できず、効果が限定的になる可能性もあります。

ハウスメーカー向け広告③SNS広告

SNS広告は、Instagram・Facebook・X(旧Twitter)・PinterestなどのSNSプラットフォームに掲載される広告です。

住宅の外観や内観、暮らしの雰囲気などを具体的に伝え、顧客に「自分がその家で暮らすイメージ」を持ってもらうきっかけを作ることができます。住宅購入を検討し始めた顧客との最初の接点としても有効に機能する広告媒体です。

SNS広告のメリット

画像や動画を活用することで、住宅の空間的な魅力や素材のこだわりなど、文字だけでは伝わりにくい情報を直感的に届けることができます。特にInstagramやPinterestのようなビジュアル主体の媒体は、住宅のデザイン性や暮らしのイメージを伝える上で非常に相性が良く、視覚的な印象を与えやすいのがメリットです。

完成物件のルームツアーや、自然素材を使ったインテリアの質感などを訴求することで、ブランドの世界観も効果的に伝える目的にも有効です。

また、SNS広告は拡散力に優れており、投稿内容次第ではフォロワー以外の潜在顧客にも届きやすく、話題化による認知拡大も期待できます。

さらに、年齢・性別・エリア・関心ジャンルなどの詳細なセグメントが可能なため、情報を届けたいターゲット層へ的確にアプローチできる点も大きな魅力です。

SNS広告の注意点

SNS広告の効果を高めるには、継続的な発信とコンテンツの質が重要です。投稿頻度が少ない、画像や動画のクオリティーが低いといった状況では、顧客の関心を引きにくく、十分な効果は得られません。

さらに、SNS広告は一方通行の広告媒体ではなく、コメントやDMでのやりとりを通じて顧客と関係を築いていく性質を持っています。

広告としての押しつけ感を避けつつ、自然で親しみやすい表現を用いた運用と、顧客との対話を前提とした体制づくりが求められます。

ハウスメーカー向け広告④YouTube広告

YouTube広告とは、YouTube上で配信される動画広告のことを指します。スキップ可能なインストリーム広告や、検索結果・関連動画に表示されるディスカバリー広告など、さまざまなフォーマットがあるのが特徴です。

住宅業界においては、モデルハウスのルームツアー、暮らしの提案、施工事例紹介といったコンテンツを通じて、顧客に「実際の生活をイメージしてもらう」ための手段として効果的に活用されています。

動画という媒体の特徴を生かし、住宅の魅力を視覚と聴覚の両方で訴求できるため、ブランディングから顧客獲得まで幅広く対応できる広告媒体として注目されています。

YouTube広告のメリット

YouTube広告の大きな強みは、動画によって空間の広さや採光、生活動線の印象などをリアルに伝えられる点にあります。テキストや写真では伝えきれない情報も、映像とナレーションの組み合わせにより直感的に顧客に届けることができます。

さらに、YouTubeは幅広い年代に利用されており、住宅検討層とも接点を持ちやすい媒体です。地域や年齢、世帯構成などをもとにターゲティングを行うことも可能で、自社の目的に合った広告展開が行えます。

また、広告運用とあわせて自社のYouTubeチャンネルを育成すれば、広告経由で訪れた顧客と継続的な接点を築くこともできます。ファン層の形成や、リピーター施策にもつなげやすくなる広告媒体だといえるでしょう。

YouTube広告の注意点

住宅という高額商材を扱う以上、動画のクオリティーがそのままブランドイメージに影響を与える点に注意が必要です。構成・撮影・編集には一定の技術とコストがかかるため、リソースが不足している部分は外注も検討しながら計画的に準備を進める必要があります。

また、YouTube広告は配信フォーマットが複数あるため、自社の目的(ブランディング、集客、リマーケティングなど)に応じて最適な形式を選ぶことが重要です。

加えて、配信後の効果検証も重要です。再生回数だけでなく、視聴完了率やクリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)などの指標をもとにPDCAサイクルを回し、改善を重ねていくことが求められます。

短期的な反応にとらわれず、中長期的な視点でのブランディングや顧客接点の強化を意識した運用が効果を高めるカギとなります。

ハウスメーカーが集客で広告を用いる際のポイント

住宅販売における広告活用では、ただ広告を出すだけでは成約にはつながりません。自社の強みを明確にしてターゲット層に合わせた訴求を行い、成果を検証しながら他の施策とも連携していく必要があります。

ここでは、広告施策を効果的に活用するための4つのポイントをご紹介します。

強みとターゲット層を明確にする

広告の成否を左右するのは、「誰に向けて、何を伝えるのか」が明確になっているかどうかです。まずは自社の得意分野や対応エリア、施工実績、デザイン性、コストパフォーマンスといった強みを整理し、それが響く顧客像を定める必要があります。

例えば、高断熱・高気密といった住宅性能を強みとする場合、省エネ志向の共働き世帯や、冬の寒さが厳しい地域の顧客が主な対象となります。こうした顧客の課題やニーズと自社の商品特性を結び付けた上でのターゲット設定が、効果的な広告設計につながります。

目的に応じて使い分ける

広告媒体にはそれぞれ得意な領域があります。例えばリスティング広告は検索行動をしている顕在層に即効的な効果を発揮する一方で、SNS広告やYouTube広告は潜在層の掘り起こし、認知拡大に向いています。

広告の目的が何なのかを明確にした上で、その目的に応じた広告媒体選定と広告制作を行うことが重要です。

効果測定と改善

広告施策は出稿して終わりではなく、運用中の数値をもとにした改善が欠かせません。クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)、滞在時間や離脱率などを継続的に分析し、小さな改善を積み重ねていく必要があります。

特にWeb広告はデータが可視化されやすいため、施策ごとのパフォーマンスを比較・評価し、広告費の費用対効果を最大化させるためのPDCAサイクルを丁寧に回していくことが求められます。

広告以外の施策と組み合わせる

広告によって認知・接点を獲得できても、それだけで成約に至るわけではありません。広告を入り口に、展示場やセミナー、パンフレット、SNSアカウント運用といった他の施策と連携することで、顧客体験の質を高め、信頼形成につなげる必要があります。

例えば、Web広告で資料請求を獲得しパンフレットやイベントで魅力を深掘りし、LINEやメルマガで継続的に情報提供を行うことで、顧客の検討フェーズに応じたアプローチが可能となります。

広告はあくまで「きっかけ」に過ぎません。その後のフォローや関係構築が不十分であれば、せっかくの広告効果も生かせません。広告施策を成果につなげるためには、他のチャネルや施策と連動した「全体設計」が不可欠です。

まとめ

ハウスメーカーの広告施策では、それぞれの広告媒体が持つ強みと役割を理解し、目的やターゲットに応じて使い分けることが成功のカギとなります。潜在層への認知拡大にはYouTube広告やSNS広告、顕在層にはリスティング広告やポータルサイトを通じた集客が有効です。

また、広告単体ではなく、自社サイトや資料請求など他施策との連動設計も欠かせません。成果を最大化するためには、計画→実行→評価→改善のPDCAサイクルを回しながら、継続的に最適化していく視点が重要です。