不動産CMSの制作とは?導入するメリットや注意点、制作会社の選び方も解説

不動産CMSの制作とは?導入するメリットや注意点、制作会社の選び方も解説
SHINWA'S PICKS編集部

Webサイトでの物件探しが主流となった現在では、不動産会社も効率的なWebサイト運営が不可欠です。そのため、不動産業界のWebサイト運営支援に特化した「不動産CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)」を制作・導入する会社が増加しています。

しかし、不動産会社のマーケティング担当者やWeb担当者の中には、通常のWebサイトとの違いや、導入の必要性に疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、不動産CMSの導入を検討している方に向け、不動産CMS制作の基礎知識や導入するメリット、導入時の注意点についてわかりやすく解説します。

不動産CMS制作の基礎知識

まずは、CMSの基礎知識や不動産CMSの特徴について解説します。

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは

「CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)」とは、HTMLやCSSなどの専門知識がなくてもWebサイトのコンテンツ作成・管理・更新などができるシステムのことです。代表的なCMSには「WordPress(ワードプレス)」があり、入力フォームに情報を入れるだけでWebサイトの編集ができます。

近年では、画像や文章のAI生成を取り入れたCMSが登場しているほか、特定の業界に特化したCMSも制作されています。

特に、不動産業界では頻繁に新しい物件が追加されたり物件情報が更新されたりするため、一般的なCMSでは機能不足に陥りやすくなります。そのため、業界の業務に特化した不動産CMSを制作するメリットが大きいのです。

不動産CMSの特徴

一般的に、不動産CMSは以下のような機能を搭載しています。

・自社サイトに登録した物件を不動産ポータルサイトへ一括掲載する物件コンバーター機能

・レインズ(REINS)などの物件流通システムと連携し、物件情報の登録や更新を効率化する機能

・会員登録したユーザーだけが閲覧できる物件情報を設定・管理する機能

・Googleマップとの連携で、地図上にピンを立てて物件を検索できる機能

・顧客からの問い合わせに対し、AIが返信案の作成を支援する機能

これらの機能によって顧客は目的の物件を見つけやすくなるため、問い合わせや来店につながるWebサイトを構築しやすくなります。また、物件情報の連携機能や生成AIの活用により、社員の業務負担の軽減も期待できます。

不動産CMSを制作するメリット3選

不動産CMSを制作することは、Webサイト運営の効率化だけでなく、集客力の向上やブランドイメージの統一にも役立ちます。ここでは、不動産CMSを制作するメリットを3つ解説します。

Webサイトの更新作業を効率化できる

不動産CMSを導入することで、専門知識がないスタッフでも簡単にWebサイトの編集や物件情報の登録・更新が行えるようになります。

更新作業が社内で完結することで、新着物件などの情報を迅速に反映できるため、Webサイトの最新性を維持しやすくなります。情報の鮮度が顧客の信頼や問い合わせ数に直結しやすい不動産業界では、この点が大きなメリットになります。

また、不動産CMSの制作は、社内の広告ノウハウの属人化を防止できるほか、外注コストの削減にも効果的です。

Webサイトによる集客を強化できる

不動産CMSを導入することでWebサイトの更新が容易になるため、最新情報の提供やWebサイトの更新を継続しやすくなり、結果的にSEO評価が向上する可能性があります。

また、自社のWebサイトに、検索エンジンやAI検索から参照されやすく、信頼性・網羅性・専門性の高いコンテンツを充実させることで、ポータルサイトに依存しない集客体制の構築が可能です。

不動産CMSの制作は、上位表示を狙いやすいWebサイトの構築に効果的であり、集客基盤の強化とともに広告費や掲載費の最適化にもつながります。

Webサイトのデザインを統一できる

不動産CMSを活用する場合、Webサイト内で使用するデザインテンプレートを指定できるため、複数人で運用してもページデザインの統一感を維持できます。

デザインが統一されていない場合、同じWebサイト内なのに別サイトへ移動したという印象を与えてしまい、ユーザーが離脱する原因になります。

顧客の離脱を防ぐには、物件ページの画像や情報、問い合わせボタンの配置箇所などを統一して、視認性や使いやすさを向上させることが重要なのです。

また、デザインの統一感は「顧客目線で丁寧に作り込まれたWebサイト」という印象を与えやすいため、会社の信頼獲得にもつながります。

不動産CMS制作の注意点3選

不動産CMSは、社内の業務内容や法令への対応を考慮せずに導入を進めると、想定以上のコストの発生や運用上の課題に直面する可能性があります。不動産CMSを制作する際は、以下で解説する3つの注意点を意識しましょう。

既製のCMSを使用するか開発するかを判断する

不動産CMSの導入は主に、既製品を導入する方法とゼロベースから設計・開発する方法の2つがあります。

既製のCMSを導入する場合は、WordPressなどの汎用CMSをカスタマイズしたり、不動産業界向けに開発された専用CMSを導入したりすることが一般的です。

既存のプラグインや機能を活用できるため、比較的短期間で導入できるほか、導入費用を抑えやすいメリットがあります。ただし、CMSによってはカスタマイズの自由度が低く、業務内容に対応できない場合もあるため注意が必要です。

一方、大規模な物件管理が必要な場合や独自の業務システムとの連携が必要な場合には、専用の不動産CMSの設計・開発も有力な選択肢となります。ただし、開発には時間がかかることに加え、導入コストも高くなる点に注意が必要です。

不動産CMSの導入・運用コストを把握する

不動産CMSを導入・運用する場合、制作にかかる費用以外にも以下のようなコストが発生します。

・導入時の初期費用

・月額利用料

・不動産ポータルサイトとの連動費用

・物件登録枠の追加費用

初期費用や月額利用料は、使用する不動産CMSの種類や機能によってコストが大きく異なる可能性があります。また、多数の不動産ポータルサイトと連携する場合や、登録する物件数が増加した場合では、運用コストが増加しやすいです。

そのため、必要な機能や連動させる不動産ポータルなどの優先順位を明確にして、事前に運用コストのシミュレーションを行いましょう。

Webサイトの運用体制の構築やセキュリティ対策が必要

不動産広告は「宅地建物取引業法」や「景品表示法」、「不動産の表示に関する公正競争規約」などによって広告表示ルールが定められています。

社内でWebサイトの運用ルールを明確化していなければ、誇張した広告表現を使用してしまったり、成約済みの物件の消し忘れによって「おとり広告」に該当したりするリスクがあるため注意が必要です。

また、不動産業界では顧客の個人情報を扱う機会が多いため、誤操作によるデータ削除や不正ログインに対するセキュリティ対策も欠かせません。

不動産CMSの制作会社を選ぶ3つのポイント

自社のみでの不動産CMSの導入が難しい場合、目的に適した制作会社への依頼を検討しましょう。以下では、不動産CMSの制作会社を選ぶ際の3つのポイントを解説します。

不動産CMSの制作実績はあるか?

不動産会社のWebサイトでは、価格や間取り、駅までの距離などの情報を管理するためのデータベース設計が必要になります。また、データベース内の情報から、ユーザーが条件を絞り込んで物件を探せる検索機能の構築も欠かせません。

さらに、不動産業界では物件情報の表示ルールが厳しく定められているほか、成約済み物件の削除漏れなどによって「おとり広告」と判断されるリスクもあります。

不動産CMSの制作では一般的なWebサイト制作とは異なる専門知識が求められるため、制作会社を選定する際は不動産CMS制作実績の有無を確認しましょう。

自社の目的に合わせて機能や設計を提案してくれるか?

不動産業界といっても、賃貸仲介や売買仲介、物件管理など、業務内容は会社によってさまざまです。そのため、不動産CMSに求められる機能や設計も大きく異なります。

不動産CMSの機能を適切に取捨選択できなければ、サイトリニューアル自体の費用対効果が悪化する原因になります。

制作会社を選ぶ際は、自社の課題や目的を丁寧にヒアリングしたうえで、最適なCMSの機能や設計を提案してくれるかを確認することが重要です。

不動産CMS導入後のサポートや保守体制は十分か?

不動産CMSは制作して終わりではなく、導入後の運用も視野に入れなければなりません。不動産会社のWebサイトはさまざまな外部システムと連携していることが多いため、サポートや保守体制の充実度は重要な判断基準です。

具体的には、以下のような点を確認しておくことが大切です。

・レインズや各種不動産ポータルサイトの仕様変更に対応できるか

・Webサイトにトラブルが発生した際の緊急対応が可能か

・新しいスタッフ向けのCMS操作サポートを受けられるか

不動産CMSの制作会社を選定する際は、制作費用だけでなく、導入後のサポート内容や保守費用まで含めて総合的に比較検討しましょう。

まとめ

不動産CMSの制作・導入は、Webサイトの運用を効率化できるだけでなく、不動産ポータルサイトだけに依存しない集客基盤を構築しやすくなります。

しかし、その効果を高めるためには自社の業務内容に合わせた機能の取捨選択や、社内の運用体制の構築などを行う必要があります。

不動産CMSの制作・導入を依頼する際は、導入コストや導入後のサポート体制に注目しつつ、不動産業界に精通している制作会社を選ぶことが大切です。