戸建住宅のWeb広告が難しい理由と失敗しない戦略を解説

戸建住宅のWeb広告が難しい理由と失敗しない戦略を解説
SHINWA'S PICKS編集部

戸建住宅のWeb広告が難しいと感じる理由は、多くの場合、戸建住宅広告特有の難しさを理解しないまま、一般的なWeb広告の手法を当てはめてしまっていることにあると考えられます。

戸建住宅の集客においても、Web広告は有効な戦略です。正しい知識を持って行えば、成果を出せる可能性は十分にあります。

本記事では、戸建住宅広告がなぜ難しいのか、その前提知識を整理すると共に、陥りがちな失敗パターンを回避し、着実に成果を出すためのWeb広告戦略を具体的に解説します。

1.戸建住宅のWeb広告が難しい理由|成功に必要な3つの前提知識

Web広告とは、Webサイト、検索エンジン、SNS、動画プラットフォームなど、インターネット上のあらゆるメディアに掲載される広告の総称です。戸建住宅のWeb広告を成功させるには、まず一般的な商品や他の不動産広告とは異なる特性を理解する必要があります。

顧客の検討期間が長い傾向にある

不動産情報サイト事業協議会が実施した2024年「不動産情報サイト利用者意識アンケート」によれば、売買の検討期間が数ヶ月に及ぶなど、検討が長期化するケースが多いという結果が出ています。

戸建住宅の購入は、多くの場合一生に一度の大きな買い物です。そのため、顧客が広告に一度接触しただけですぐに問い合わせることは少なく、認知から比較検討、決断に至るまでには時間を要することが多いと考えられます。

したがって戸建住宅集客におけるWeb広告の役割は、単に今すぐ顧客を獲得するだけでなく、長期的な検討プロセスの中で「第一想起される存在」として信頼関係を構築していくことにある、と言えるでしょう。

物件の個別性が高い

規格化された部屋が多いマンションとは異なり、戸建住宅は立地、間取り、築年数、デザイン、庭の有無など、一つとして同じものがない「一点もの」です。単に物件の仕様を羅列した情報を載せるだけでは、魅力が伝わらない可能性があります。

そのため戸建住宅のWeb広告を成功させるには、「この家でどのような暮らしが実現できるか」を顧客視点で考え、物件ごとの個性を最大限に引き出す工夫をする必要があるでしょう。

広告の成果が「地域性」に強く依存する

戸建住宅を探す顧客の多くは、子供の学区や勤務先へのアクセス、住み慣れた環境などを理由に、極めて限定されたエリア内で物件を探しています。そのため、「〇〇市全域」といった広すぎるターゲティングでは広告費を浪費し、逆に狭すぎれば機会損失を生む可能性があります。

したがってWeb広告を成功させるには、ターゲティングの段階でこの「地域性」を正確に捉えるために、顧客が実際に生活圏として意識しているエリアを深く理解し、その上で物件に合ったターゲットに絞ることが重要でしょう。

2.戸建住宅のWeb広告で陥りがちな失敗

戸建住宅の集客におけるWeb広告の失敗には典型的なパターンが存在するため、それを事前に知るだけでも無駄なコストと時間を大幅に削減できます。

次の失敗例は、その中でもよくあるケースを抜粋したものです。参考にして、戸建住宅のWeb広告をより確実に成功させましょう。

物件のスペック情報だけを羅列する

最もよくある失敗として考えられるのは、広告クリエイティブ(画像や広告文)が「4LDK/駐車2台可/南向き」といった物件の仕様情報の羅列に終始しているケースでしょう。

顧客は購入後その場所の利用を考えています。そのため、仕様そのものよりも「その仕様がもたらす価値」を知りたいはずです。

したがって「南向きの大きな窓から光が差し込むリビングで、家族団らんの時間を過ごす様子」や「子供がのびのびと遊べる、プライベートな庭」といった、具体的な暮らしのイメージを写真や言葉で伝えなければ、顧客の心を掴めず機会を損失するおそれがあります。仕様情報を掲載する際には、その内容に注意が必要です。

どの物件にも同じような広告を使い回す

時間や手間を惜しんで、異なる物件に同じような広告フォーマットを使い回してしまうのも、戸建住宅のWeb広告における典型的な失敗の一つです。

戸建住宅は一つひとつが持つ魅力やターゲットとなる顧客層が異なります。「デザイン性の高いリノベーション済み物件」と「閑静な住宅街にある、子育て世帯向けの物件」では、響くメッセージもターゲット設定も全く違うはずです。物件の個別性を無視した広告は、誰の心にも響かない結果に終わる可能性が高いため、注意しましょう。

エリアターゲティングの解像度が低い

戸建住宅のWeb広告における失敗の例として、Web広告の強みであるエリアターゲティングを活かしきれていないケースも考えられます。

市町村単位といった大雑把な設定では、その物件に全く関心のない層にも広告が表示され、無駄なクリック費用が発生する可能性が高まります。

したがって、着実に成果を出したいのであれば、「〇〇小学校の学区(校区)内」や「主要駅である△△駅から半径3km圏内」といった、顧客ニーズに即した解像度の高いエリア設定を行うべきでしょう。

規約の確認が不足する

戸建住宅のWeb広告も通常の不動産広告と同様、不動産公正取引協議会連合会が定める「不動産の表示に関する公正競争規約」の対象です。例として、実在しない物件や取引する意思のない物件を掲載する「おとり広告」は厳しく禁じられていますが、Web広告の場合は情報の更新漏れが起きた際に意図せず規約に違反してしまうケースが考えられます。

そのため規約は事前によく確認し、更新漏れや掲載情報の誤植などには常に注意を払う必要があるでしょう。

3.戸建住宅のWeb広告で最初に試しやすい手法2選

Web広告の手法は数多く存在しますが、最初からそれらすべてに手をつけると失敗する可能性が高まります。

ここでは戸建住宅特有の難しさと失敗パターンを踏まえた上で、最初のうちは購入意欲の高い層を直接狙う「リスティング広告」と、潜在的な顧客層を育てる「SNS広告」の2つに集中することを提案します。

リスティング広告

リスティング広告とは、顧客が検索エンジン(GoogleやYahoo!など)で特定のキーワードを検索した際に、その検索結果ページに表示されるテキスト形式の広告です。

リスティング広告は戸建住宅のWeb広告において、最初に試しやすい手法です。「〇〇市新築戸建住宅」といったキーワードで検索する顧客は、購入を具体的に検討している「顕在層」であるため、高い成約確度が期待できます。

運用の際は定番の「地域名+工務店」だけでなく、競合他社が見落としがちな「〇〇小学校+校区+新築」といった、より具体的なキーワードで顧客層を的確に捉えると良いでしょう。顧客のより深いニーズを捉えたキーワードを設定することで、競合他社との差別化を図り、質の高い問い合わせにつなげられるはずです。

SNS広告

SNS広告とは、Facebook・X(旧Twitter)・Instagram・LINEといったSNSプラットフォームに配信する広告のことです。

SNS広告も戸建住宅のWeb広告において、比較的試しやすい手法です。特にFacebook・Instagramは、顧客の登録情報に基づき、非常に精度の高いターゲティングが可能であるため、将来見込み顧客となりうる「潜在層」へ効率的にアプローチしやすいと考えられます。

運用の際は「自社のモデルハウスから半径10km以内に住む、30代で子供がいる夫婦」といった条件でターゲットを絞り込み、その層の心に響く美しい施工事例の写真やルームツアー動画を配信すると良いでしょう。ブランド認知を高め、「顧客に第一想起される存在」を目指しやすくなるはずです。

4.まとめ

本記事では、戸建住宅Web広告の特有の難しさと、それを乗り越えるための具体的な戦略を解説しました。

戸建住宅広告の成功は、「長期的な顧客視点」「物件ごとの個別性の訴求」「高い解像度の地域理解」という3つのポイントに集約されます。戸建住宅広告の「難しさ」は、裏を返せば、これらを丁寧に行うことで競合他社と圧倒的な差をつける「チャンス」でもあります。

まずは、現在広告を出している物件について、「本当に届けたい顧客は誰か」「その顧客が心惹かれる、この物件だけの魅力は何か」を改めて問い直すことから始めてみてください。その答えが、Web広告の成果を飛躍させるための最も重要な鍵となるはずです。