富裕層に効果的な不動産広告の戦略とは?失敗しないためのポイントも紹介

富裕層に効果的な不動産広告の戦略とは?失敗しないためのポイントも紹介
SHINWA'S PICKS編集部

富裕層は、不動産広告において非常に重要なターゲット層の一つです。しかし、富裕層には特有の価値観や情報収集の手段があり、一般的な広告戦略ではリーチすることが難しい傾向にあります。

このため、富裕層向けに不動産広告を出す際は、富裕層との接点を意識したアプローチが必要となります。

本記事では、富裕層の方々の特徴やリーチするための広告媒体ごとの戦略、富裕層向けに広告を出す際の注意点について詳しく解説します。

1.不動産広告で狙うべき富裕層層とは

富裕層は、一般層とは異なる価値観やライフスタイルを持つことが多く、まずは富裕層とはどのような方々なのか理解する必要があります。

ここでは、富裕層の方々の特徴や情報収集の手段、職種ごとの行動傾向を解説します。

富裕層とは

富裕層とは、企業経営者や医師、弁護士、複数の不動産を所有する不動産オーナーなど、年収が高く資産の多い方を指します。

野村総合研究所のデータによると、2005年以降日本の富裕層は増加し続けており、保有する金融資産額も増加が続いています。可処分所得が高く、将来を見据えた消費意欲も比較的強い傾向があり、資産形成や投資を目的に多くの方が不動産への支出を行っています。このような背景から、富裕層に向けて不動産広告を出すことは、有効です。

しかし、富裕層は普段からさまざまな人や企業から営業を受けているため、しつこい営業に対し警戒心を抱きやすい方もいます。

情報収集の手段も一般層と違い、加入している会員組織や友人・知人から入手する方もいるようです。もちろん、資産運用や事業拡大に関心が高い方は積極的な情報収集を行っていることもありますが、富裕層は比較的閉鎖的なネットワークで慎重に行動する傾向が強いようです。

そのため、富裕層向けに不動産広告を出す際は、富裕層のタッチポイントで広告を配信し、相手と長期的な信頼関係を築かなければなりません。

富裕層は、職種や年齢によって行動が変わってきますので、まずはそれぞれの行動傾向を把握しましょう。

企業経営者・役職者

企業経営者や役職者は、税務対策や資産形成を目的に不動産を保有したり、投資の機会に敏感だったりする傾向が強いようです。

情報収集をする際は一次情報を重視しており、経済産業省や日本経済新聞などの経済系の新聞といった、信頼できる経済・ビジネスメディアを利用する方が少なくない印象があります。

また若い方であれば、多様な人脈や人間関係の構築、リアルタイムな市場動向を探るために、FacebookをはじめとするSNSも積極的に活用する傾向がうかがえます。

投資家・不動産オーナー

投資家や不動産オーナーは、資産運用や事業拡大の関心が高く、情報収集に積極的な場合が多く、情報収集ではSNSやオンラインコミュニティーでリアルタイムな市場動向などを追うほか、SNSでの評判や他オーナーの口コミを参考にすることが多いようです。

医師・弁護士などの専門職

医師や弁護士などの専門職の方は基本的に忙しいため、信頼できる情報源や要点が整理された媒体を好む傾向がうかがえます。

情報収集には各分野の専門誌や業界紙の定期購読や、富裕層向け雑紙やハイブランド誌を活用したりすることが散見されます。

オンラインメディアでは、専門性の高いWebサイトや富裕層向けに特化したオンラインマガジン、ポータルサイトを活用するほか、検索エンジンで必要な情報をピンポイントで調べることもあるようです。

また、ダイレクトメールやメールマガジンといった、パーソナライズされた情報提供も受け入れられやすいことが少なくないようです。

若年富裕層

20~40代の若年富裕層は、SNSを日常的に利用しており、インフルエンサーや同世代の起業家、投資家の発信を参考にすることが多いようです。

検索エンジンを積極的に活用しているほか、口コミやレビュー、オンラインサロン、限定コミュニティでの情報交換も行っていることがあるとされています。

また、富裕層向けやライフスタイル系のオンラインマガジンやポータルサイトを閲覧するケースも見られます。

2.富裕層にリーチするための広告媒体ごとの戦略

広告媒体の種類によって、効果的なターゲット層やリーチするための戦略も変わってきます。富裕層向けに広告を出す際は、自社のターゲット層である富裕層に合わせて広告媒体を選ぶことが重要です。

ここでは、代表的な広告媒体の主なターゲット層である富裕層に効果的な戦略を解説します。

リスティング広告

リスティング広告とは検索行動に連動した広告であり、主にGoogle広告やYahoo!広告などがあります。

効率的にリーチするには、富裕層が検索する可能性が高いキーワードを選定して広告を表示させることが大切です。また、地域や行動履歴に基づいたターゲティングが可能なので、自社のターゲット層である富裕層に応じた設定を行い、リスティング広告を配信しましょう。

リスティング広告から誘導するランディングページでは、物件のステータスや顧客満足度を示す数値、成功事例などを入れて専門性と信頼性を訴求し、パーソナライズした物件提案でお問い合わせへの導線を強化することが大切です。

SNS広告

SNS広告では、ユーザー属性に基づいて広告を表示させることができます。

SNSを活用している富裕層は、主に若年富裕層や企業経営者・役職者、投資家が多いようです。特に、Facebookは多くの富裕層が利用する傾向がうかがえるため、Facebookを活用した広告出稿を検討すると良いでしょう。

富裕層向けのSNS広告では、富裕層のニーズに合ったコンテンツを配信することが重要です。不動産購入後の生活や体験をストーリーテリングで訴求し、物件の内装や周辺環境などを映した高品質な動画や画像を用いて高級感や独自性を打ち出していきましょう。

富裕層向けWebサイト

富裕層が頻繁に訪れるオンラインメディアに広告を掲載することも、より信頼性の高いアプローチを可能にします。

主なターゲット層となる富裕層は、専門職や企業経営者、投資家などです。富裕層は信頼できる情報を集めるために、専門分野を扱うオンラインメディアを利用していると見られており、広告の効果も期待できます。

広告を出稿するオンラインメディアは、富裕層向けの金融・経済・不動産専門のメディアになります。クリエイティブ面では、SNS広告と同様に高級感や独自性を打ち出すことに加え、物件のステータスや顧客満足度を示す数値、成功事例で信頼性と専門性を強調した広告を展開しましょう。

メール広告・ダイレクトメール

オンラインによるメール広告・オフラインによるダイレクトメールは、富裕層にパーソナルで直接的なアプローチができ、医師や弁護士といった専門職で忙しい方に効果的な広告です。

メール広告やダイレクトメールを出す際は、カード会社や通販会社、富裕層向け会員誌など、信頼性が高く第三者提供の同意が得られている外部リストを活用し、効率的にリーチを増やしていきましょう。同時に、富裕層の資産規模や職種、年齢などの属性をしっかりと調査し、最適な内容の広告を設計することが重要です。

また、メール広告の配信やダイレクトメールの送付は定期的に行いましょう。不動産への支出は高額であり検討に時間がかかるため、1回きりでは成果が出にくいものです。定期的に配信・送付して複数回の接点を持ち、認知と信頼感を高めていきましょう。

ダイレクトメールを送付する際は、富裕層の関心や美意識に合致するように、高級感のあるデザインや紙質を重視しましょう。例えば、手書き風のメッセージにすれば、信頼感や親近感を演出することができます。

また、開封する手間をなくし内容がすぐ確認できるようにしたい場合はA4ジャンボハガキ、特別感を与えたい場合は封書がおすすめです。

富裕層向けの雑誌・会員誌

富裕層向けの雑誌や会員誌に広告を出すことは、ブランドイメージの向上や信頼感の獲得に効果的です。

購読者は、企業経営者や医師・弁護士などの専門職の方が散見され、自らお金を支払って購読している能動的媒体なので、広告の精読率も高いと考えられます。

雑誌や会員誌ごとに読者層が大きく異なるため、広告を出稿する際はターゲット層となる富裕層合致した広告媒体を選定することが重要です。

高級雑誌は、高品質な紙面とビジュアルが強みです。プロのカメラマンによる物件写真や上質なデザイン・レイアウトを心がけ、高級雑誌の強みを生かした高級感や特別感を出すようにしましょう。

また、誌面スペースを生かし、物件のスペックや設備、資産価値なども詳細に説明し、オーナーインタビューや専門家による解説なども組み合わせて、信頼感や専門性を高めることも大切になります。

3.富裕層向けに不動産広告を出す際に失敗しないためのポイント

富裕層向けの不動産広告では、ターゲット層となる富裕層の調査や広告媒体の選定以外にも、一般層とは異なる価値観や行動の傾向がうかがえるため、一般層向けの広告戦略とは異なるアプローチが必要となります。

最後に、富裕層に広告を展開するにあたって、失敗しないためのポイントを3つご紹介します。

自社のターゲット層となる富裕層の定義付けを必ず行う

富裕層は、それぞれの資産規模によって、ニーズや行動パターンが異なることがあります。

富裕層向けに広告を出す際は、自社のターゲット層となる富裕層の定義や資産規模を必ず明確にしましょう。自社にとってターゲット層となる富裕層が明確になれば、それにのっとった情報収集や戦略の立案がしやすくなります。

広告媒体も、それぞれで利用している富裕層が大きく異なるため、利用者の大まかな資産規模を参考にすることをおすすめします。

複数の広告媒体を組み合わせて展開する

富裕層向けの広告は、複数の広告媒体を組み合わせてさまざまな接点でメッセージを届けることで、大きな効果を期待できます。

オンラインとオフライン両方の広告媒体をバランスよく活用し、自社ブランドを生かしたメッセージを展開していきましょう。

また、ブランドの世界観やメッセージの一貫性が信頼感につながるため、統一感のあるブランディングを行うことがポイントです。

長期的な信頼関係を構築していく

はじめに解説したように、富裕層は閉鎖的な関係を重視しており、短期的な売り込みを嫌う傾向がうかがえます。そのため、富裕層向けに広告を出す際は、長期的な信頼関係を築くことを意識しましょう。

信頼関係を構築するには、継続的なメール広告やダイレクトメールなどで、価値のある情報を配信しましょう。専任担当者を配置し、問い合わせがあったときは一貫した対応を行うことが安心感にもつながります。

また、客観的な事実に基づいた情報提供も欠かせません。専門家が監修したデータや資料などを用い、常に正確で信頼性の高い情報を届けることで、富裕層との信頼関係を構築することができるでしょう。

4.まとめ

富裕層向けの不動産広告では、自社のターゲット層となる富裕層の定義を明確にし、富裕層の特徴や情報収集の手段や行動傾向を理解することが大切です。自社にとってターゲット層となる富裕層を明確にすることで、適切な広告媒体を選定し、効果的な戦略を組み立てやすくなります。

そして、広告の展開では、富裕層と長期的な信頼関係を構築することを意識しましょう。富裕層には慎重で警戒心を強く抱きやすい方もいるため、信頼性の獲得と維持が一般的な広告戦略以上に重要になります。

富裕層の特徴や行動傾向を理解し、適切な広告戦略でリーチを増やしていきましょう。